第15話、世界遺産ブナ林の散策

ナタ目08年7月24日
オオイワウチワ09年4月28日
ムラサキヤシオ07年5月25日

三叉路に着きました。左へ行くと小さな円に入りますが今回は省略し、右の中央の円に入り、遺産登録地の境を進んで行きます。

右のブナの幹をご覧ください。文字が書いてあります。

鉱山と行という字が、下に矢印が書いてあります。昔、この歩道は鉱山に行くための道でした。この文字はその道標でナタ目といいます。ナタ目は一般的にナメコなど山菜を採った場所を標したものです。

皆さん左の森をご覧ください。スギの人工林です。右はブナの天然林です。

歩道が境で右が世界遺産登録地、左の山は水源涵養保安林に指定されているが世界遺産には登録されていません。

この植物はオオイワウチワで峰など表土が浅い場所を好んで群生します。

左右両側の峰部は融雪直後、この花で林床が真っ赤に染まります。

右下の急斜面に咲いているヤマツツジの隣のツツジはムラサキヤシオです。

これは葉っぱよりも花が上に咲いているためコウライテンナンショウ、こっちは葉っぱの下に咲いているのでヒロハテンナンショウです。これは薬草のキバナイカリソウです。左前方の中腹に咲いているのは腐生植物のオニノヤガラです。

そろそろ暗門川に通じる幹線の歩道に着きますが、この植物は葉っぱがヤマブキに似ているためヤマブキショウマで、こちらの白い花の植物は春、芽出しの時期に茶色の3本又で、それぞれの先が折れ曲がって鶏の足に似ているためトリアシショウマと呼んでいます。


白神山地ビジターセンター 解説員 櫛引 英雄