第17話、世界遺産ブナ林散策道

トウゴクサイシン09年5月4日
ツクバネソウ09年10月15日
熊の爪痕09年10月13日

これはトウゴクサイシンだそうです。オクエゾサイシンと呼んでいたが、本種から分かれたのか解りませんが、いつのまにか名前が変わっていました。

ウスバサイシンは花びらの先端が尖ります。

これはヤマブドウの蔓です。立木の先端からぶら下がっていますが、蔓性の植物は日光が大好きで上へ上へと伸びて行きます。蔓が絡まっている立木は最初、下から枝が付いているので、蔓はそれに掴まって枝伝いに登って行きました。しかし枝は日光が当たらなくなると役目を終えるため下から徐々に枯れて落ちて行く。これを繰り返すうちに現在の姿、立木の先端から蔓がぶら下がった状態になっています。

さあーターザンをやろう。

これは羽子板の羽根に似ているため、ツクバネソウといいます。

このブナの木に擦り傷が付いているが、どうして付いたでしょう。

そうです。熊が登った時に付いた傷です。傷は4m位上から始まっていますがどうやってあの高さまで飛んだのでしょう。これは春、残雪の頃でも気温が上昇するとブナの木は芽吹きます。冬眠から覚めた熊はこの芽を食べるため、深さ3m位の残雪の上から登ったものと思われます。


白神山地ビジターセンター 解説員 櫛引 英雄