「しらかみな人」とつながるインタビュー 昌子の いつか白神でフォークダンスを。

第8回目 木立 恭子さん カヌーとラフティングのA‘GROVE

「“内助の功”が、お客さまとガイドを結ぶ」


京都から青森へ移住し、今では西目屋村でパドルスポーツ体験の提供を行う木立さん。お仕事について、移住者としての白神山地への想いをお聞きしました。


Q普段はどんなお仕事をしていますか?


「私自身は最初の受付と裏方、色々な管理業務。アクティビティを体験するといっても、静かに川を下って景色を見るのが目的の人もいれば思いっきり川遊びしたい人もいるから、受付しながらそれとなくお客さんの要望を聞き出してスタッフに伝えるようにしています。これまで接客業とは無縁だったので、主人からは『まだまだ固い』って言われています。あとは体験中のカメラ撮影。写真はあとから見るものだから、ボートに乗っていると分からない周りの景色とか雰囲気が伝わるような写真を撮るようにしている。『こんな所を下ったんだ!』って喜んでもらえると嬉しい。」


Q西目屋村に住むことになったきっかけは?


「ほとんど活動を休止していた白神カヌークラブを復活し、2026年青森県で開催予定の国民スポーツ大会までに青森県内のカヌーの競技人口を増やしたいという主人の希望についてきた形になります。自分のやりたいことよりも、何かに頑張って取り組んでいる人を応援し、力になるほうが性に合っているのかな。西目屋村のことは、青森市に住んでいたころから『いい村だなぁ』と思っていました。主人は当時から『いつか西目屋村でラフティングの仕事をしたい』と言ってましたが、当時はまだラフティングができるような安定した水量じゃなかったんですよ。津軽ダムができた事がきっかけで岩木川の水量が保たれるようになって、西目屋村への移住を本格的に考えました。」


Q西目屋村のいいところはどんなところですか?


「青森市にいた時に比べると地域の方々とのお付き合いが密な感じ。自分の仕事場が村内にあるからでしょうね。移住して最初の3年間は村の地域おこし協力隊として活動させてもらったので、地域の行事や村の方々と積極的に関われる機会に恵まれました。

西目屋村は特に自然が豊かで、四季折々の景色が美しいというところが気に入っています。特に景色として好きな場所は大秋地区のあたり。西目屋村の役場のある場所からひとつ山を越えたところにあるので、あまりクローズアップされる事が無い場所だけど、美しい田畑が広がり、近くに岩木山が見える素敵な所。また津軽白神湖まで足を運ぶと、遠くに白神山地が見えてこれまた素晴らしい景色です」


Q白神山地のことはどう思いますか?


「世界遺産」というと、なんとなく人が立ち入ってはいけない「聖地」のようなイメージがある。暗門の滝あたりは観光客でも行けるけど、西目屋村に住んでいるからといって白神山地がすごく身近に感じられるというわけではないですね。白神山地のブナの森から湧き出し、湖を経て岩木川に注がれる水を利用してアクティビティができている。そう考えると、我々も白神山地に生かされてる一人なんだなって思います。」


―白神山地の豊かな自然の象徴ともいえる、水に親しむアクティビティに、今後ますます期待が高まります!



(取材・文・編集/白神山地ビジターセンター 山本昌子  撮影/小田桐啓太)