「しらかみな人」とつながるインタビュー 昌子の いつか白神でフォークダンスを。

第25回目 斉藤 拓人さん  十二湖森の会 事務局長

「白神山地は被写体の宝庫」


Q.十二湖で働くようになった経緯は?


以前は「アオーネ白神十二湖」に勤務しており、フロント業務などを担当していました。 小さい頃からインドア派でしたが、観光客への案内に必要なため植物や動物の勉強に取り組みます。 十二湖を歩いて見つけた花や鳥を一つずつ写真で記録し、少しずつ名前を覚えていくのが楽しかった。

そのうち「もっと十二湖の自然に深く関わりたい」と考えるようになりました。 そんな時に、十二湖森の会が運営する展示資料館「十二湖エコミュージアムセンター湖郷館」のスタッフ募集を見かけて応募いたしました。


Q.野鳥の撮影を始めたきっかけは?


趣味を増やそうと思って手に取ったのがカメラでした。しかも最初はインスタントカメラ。 深浦町の景観などを撮っていくうちにどんどんハマり、デジタルを手に入れてからの被写体は主に十二湖の自然に。自分で撮影した写真を業務用の素材として使ったりもしました。

そうしている時に十二湖にはアカショウビンという鳥が飛来してくる事を知って、「自分にも撮れるかな」と思って小さな望遠レンズを購入しました。それを持って十二湖に向かったところ、初回でアカショウビンをカメラにおさめることに成功!そこからどんどんのめり込んでいき、現在十二湖周辺で記録した野鳥は100種を超えています。


Q.撮影中に気を付けていることはどんなことですか?


野鳥が自然に振る舞う姿を撮影したいので、基本的なマナーはもちろんのこと、被写体から一定の距離を置くことと、無理に追わないことを特に心掛けています。撮りたい画角に向こうからやって来るのをひたすら待つ。ひたすら待っていい写真が撮れた時はいい一日だったなと思えますね。

人との待ち合わせも30分くらいなら余裕で待てます。人を待たせるのは嫌ですが、待つのは嫌では無い方なので、そういった性格が撮影に活きているのかもしれませんね


Q.白神山地の良い所を教えてください。


北海道で動物写真を撮っている知り合いから、鳥から四足動物、昆虫まで白神山地ほど種類が豊富な所はないと絶賛する声をききました。カメラマン目線で考えてこんなにあらゆる被写体がいるところは日本でもここ白神山地しかないのではないのでしょうか。


Q.十二湖の魅力を教えてください。


地元の住民からしてみると、身近にある豊かな自然という感じ。 家から車で5分~10分で行けるとこにあるので、朝起きて天気がいいから行ってみようという気軽さが魅力ですね。個人的には春から初夏へと季節が移ろう中で観察できるブナの芽吹きから新緑、若葉が美しいと思います。


Q.十二湖森の会のPRをお願いします。


地元の自然が大好きな人たちが集まったガイド会です。 男性22名、女性6名の28名で構成されています。平均年齢は65歳ですが、元気な方がたくさん。 地元愛が強く、ガイド業務の他にも草刈りや歩道の整備、ゴミ拾いなどを町から委託されて会員同士協力して行っています。「今こんな花が咲いているよ」「今日は海沿いでこんなものを見つけたよ」と情報交換しあうのが日常的です。

会全体として、生まれ育った町にある海、山、川全ての自然を大切にしながら地元深浦町を自分たちの力でなんとか盛り上げていこうという意識を持っています!



(取材・文・編集/白神山地ビジターセンター 山本昌子  撮影/小田桐啓太)