皆さん左斜面をご覧下さい。大きな葉っぱが群生していますが、この葉っぱの形が鯉のぼりの先端に付く矢車に似ていることからヤグルマソウといいます。 夏になると昔、武将が戦争の時に使う采配に似た白い花が咲くが、これは種で、花は真っ赤です。
こんどは右をご覧下さい。ノビネチドリです。
前方、左右の歩道脇に赤い綺麗な花が群生していますがタニウツギで、津軽ではガジャシバと呼んでいます。私にとってはこの花が咲くとワラビが、ニセアカシヤはネガマリタケのタケノコが最盛期となります。
タニウツギの芽を同じ仲間のニワトコの芽と間違って食べてお腹を壊したという話を聞いたことがあります。
この木はリョウブです。右に見える棘がいっぱい生えている細い木はセンノキともいいますが、ハリギリです。針のような棘がいっぱい生えて、葉っぱがキリの木に似ているからだそうですが、葉っぱは天狗の団扇にも似ています。棘は、老木になると幹から消えて、枝にわずかに残ります。また芽はタラの芽に似ているがまったくの別物で、私は食べたことが無いが天ぷらにして食べると多少苦味があるそうです。
皆さん左をご覧下さい。ウドの群生地です。ウドはこのように崩壊した痩せた斜面を好みます。
あちらの木は津軽ではトリコシバ、和名はクロモジといいます。黒い幹に付いている白い模様を文字に例えてこの名前がついたそうです。香りが良く殺菌効果もあるので茶会の和菓子を摘む高級楊枝の材料となります。本県でクロモジの楊枝を8割以上生産していると言われています。ビジターセンターの展示林からクロモジの枝を採取してきたので、葉っぱと枝の切り口の匂いを嗅いで持ち帰ってください。
。白神山地ビジターセンター 解説員 櫛引 英雄