第14話、世界遺産ブナ林の散策

ツルリンドウ14年8月31日
トチバニンジン09年9月26日
シラネアオイ07年5月25日

1班は写真を撮り終えたのでブナ林散策道へ出発します。階段を登る前に左の大きな植物はオニシモツケで、こちらが山菜のタチシオデです。タチシオデは山菜のシオデのあかちゃんと思っていたら別物でした。植物でオオとかオニが付くと大型で、逆にコとかヒメが付くと小型を表しています。

階段を登り終えたから看板の前に集まってください。看板の上が少し壊れているが熊がかじった跡です。

現在地はここです。これから左の道を登って行き、上に着くと左と直進に分かれます。左の円は新たに開設された歩道で今回は省略し、直進して真ん中の円に入って行きます。途中、沢を横切り三叉路に突き当ると今立っている幹線歩道に出ます。左折してさらに進んで行くと暗門川に下るが、途中、左折して奥の円に入って行きます。

それでは出発します。この木はブナで、ブナが多い林をブナ林と呼んでいます。またここは世界遺産登録地です。ブナ林では高い木はブナやホオノキ、トチが、中位の木はオオカメノキやハウチワカエデなどのカエデ類、小さな木はヒメアオキやツルシキミ、エゾユズリハなどが生えています。

これは蔓性のリンドウで、ツルリンドウといいます。

これがオオカメノキです。高い木に被圧され、効率的に日光を採るため葉っぱが大きく枝を横に広げています。葉っぱを見てください。葉っぱの茎を葉柄といいますが、その付け根に黒い染みが付いています。黄砂です。中国の砂漠から砂が飛んで来る時、工場の俳ガスを含むので白神山地でも土壌の酸性化が進んでいます。

歩道の両側でトチの葉っぱに似たのがチョウセンニンジンの代用品、トチバニンジンです。秋、赤くなった実に黒い染みが付くとソウシシヨウニンジンと呼んでいます。

春、歩道の両側に日本固有のシラネアオイやユキザサ、スミレサイシン、カタクリ、マイヅルソウが咲き乱れます。これは山菜のミズといわれているウワバミソウで、この木は秋田県の羽後の名前が付いているウゴツクバネウツギです。


白神山地ビジターセンター 解説員 櫛引 英雄