間もなく左前方に細い急な坂道が見えて来ます。
この道を登って行くと馬頭観音と花咲松が有りますが、ここが目屋発祥の地と言われています。
今から1,200年前、僧・行基が訪れ神社を建立したと言われています。
花咲松の由来は、津軽の殿様が南部の殿様に津軽では松に真っ白い花が咲くとの自慢話しが始まりといわれていますが、戦争するほど仲が悪い2人がこのような話しをすることが疑問、私はこの自慢話も津軽のほら話と思っています。
こんどはこの先を右折して旧道に入って行きます。前方の集落は長面です。皆さん右手をご覧ください。この岩窟は鷹の巣です。
昔、1つがいの大鷲が住み着き人畜に危害を加えることがなく、吉凶を知らせる鳥として村人は神のように敬い、誰一人弓を引く者がいなかったそうです。
昭和に入ってから林道が開設され、人馬の往来が始まったので大鷲は巣を捨てて二度と帰ることはなかった。現在、林道は鷹の巣遊歩道として活用され、私も数回利用したことがあります。
今通っている集落は長面です。集落を出ましたが右前方の未舗装の駐車場をご覧ください。手前と奥に2本の遊歩道が岩木川へ下っています。
手前の歩道は岩屋観世音に下る歩道で、洞窟で行き止まりとなっています。
奥は岩木川に架かる吊り橋を渡り、燃えるようなヤマモミジの紅葉、老木の杉並木を抜けると覆い被さるような岩場、鷹の巣の真下を通って目屋本村に繋がっています。この遊歩道が先程説明した林道です。
白神山地ビジターセンター 解説員 櫛引 英雄